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森下一乘のブログです


by kazunori_lifework

グッドウィルの社員逮捕のニュース(6月20日)

  派遣会社の社員逮捕のニュースが新聞紙上に出た。また秋葉原の無差別殺人の男が派遣社員であったこと、前途に絶望して犯行に及んだことが社会に衝撃を与えた。つまり先の希望を失った派遣社員が犯行に及んだというものである。

  早速、厚生労働大臣は日雇い派遣の禁止法案を出す予定と発表した。今年になってから派遣業界に対する逆風が強く吹いているようだ。格差社会の原因、ニートの理由、貧困の原因等、あらゆることが派遣の拡大が原因だというような論調が多く出されている。

  確かにネットカフェ難民とか、反貧困という本が売れており、世の中が格差をなくすにはどうしたらよいか考えだしたという点もあろう。しかし派遣がすべての元凶だというには無理な論理である。

  日雇い派遣も非難されている。しかし学生アルバイトも多く使われており、一概に悪い制度と決めつけるのも当てはまらない点がある。若者が日雇いしか仕事がなく、ネットカフェでしか寝られない現状は問題である。制度と現象を詳しく見ていく必要があろう。

  人材派遣業協会は新聞に一面広告を出し、派遣業界の自主規制を強化する方向を世に訴えている。逮捕者を出した業界という悪材料を説明しようとしている。

  世の中は振り子みたいに動く。派遣に問題があるとして、規制強化の路線もまた繰り返されるかもしれない。非正規雇用の減少が社会の不安定要因になってきているという見方もされている。

  人材ビジネスに携わる者として避けて通れない状況である。
仕事上自らの襟を正していく必要がある。法律遵守、法の精神の理解と対処方針について神経を使っておかねばならない。法律のみみていたのでは間違う。その背後にある社会のニーズを把握しておかねばならない。

  逮捕者は氷山の一角である。人材ビジネスが逆風にさらされる時間である。覚悟して、かつ間違いのない対処が求められている。

by kazunori_lifework | 2008-06-20 10:51