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森下一乘のブログです


by kazunori_lifework

明恵(みょうえ上人)と夢を読んだ(5月13日)

 河合隼雄著の「明恵と夢」という本を読んだ。どんな関係があるのかと思ったらユング学者の河合氏が12世紀に生きた明恵上人が夢を見て自己分析していることに感心して書いたものだ。19世紀にフロイト、ユングが夢を分析して心理学の発達に力があったのは聞いていたが、我が国のお坊さんが700年も前に夢をすべて記録して自分の心を分析していたことに大変驚いたのが本の趣旨である。

 宗教をすごく勉強して河合氏が分析している。最終的に明恵上人は女性に接することなく往生するのであるが悩みもあったと思われる。夢が19歳から50歳にわたるまで,逐一記録されていることは大変な努力である。

 心理分析の世界が奥が深いのがだんだんわかってきたが、河合氏の本をこれで5冊目を読んでいる。立派な方である。
 自分の夢は仕事、他人との交わりに関することが多く、夢分析に役に立ちそうにない。しかし、生活上のことに、夢を加えて考えていく考えにびっくりするのである。

 人について判ったつもりでいたがきっとわかっていなかったのであろう。勉強が面白い。

by kazunori_lifework | 2010-05-13 14:05